人間にしかできないタスクは人間に

テーマ3 翻訳者の役割と今後について

先日日本語から英語に訳された文章を読んだ際、「白羽の矢が立つ」が « a white arrow was put up »と訳されていました。それはもちろん直訳した不適切な翻訳で、適切に翻訳するにはその表現が持つ本当の意味を調べる必要があります。
これは、特に注意を払って翻訳することが大切となる一例です。一つの言語を全く異なる言語に翻訳する際は、直訳できないため対象言語の適切な言葉や表現を考え調整を行うことが翻訳者の仕事です。

一つの言語において、多くの言葉や表現がその国の文化と繋がっています。そのため、翻訳対象の言語に同じ言葉や表現が存在していない可能性もあり、翻訳者は対象言語の同じ意味の言葉や、自然に聞こえる表現を見つけなければなりません。

このような作業は、コンピューターや電子辞書が自動的に対応できるものではありません。
言い換えれば、100%適切に翻訳することは人工知能でできる仕事ではありません。そのため現在、翻訳者の役割は非常に重要であると言えます。

近年、技術やテクノロジーがますます速いスピードで進化しており、コンピューターなどのハイテク機械が人間の代わりに様々なタスクを行っていますが、もちろん、その新しいテクノロジーがどのような仕事にも使えるというわけではありません。
今後の世界では、人工知能を上手く活用しつつ、人間にしか適切な作業ができないタスクは人間に任せなければならないと思います。翻訳は、こう言った仕事の一つです。

最後に、これは自分自身の翻訳者としての経験に基づく意見ですが、現在、エヌ・エイ・アイ株式会社のように丁寧な翻訳作業を行い、様々な翻訳者と連携して翻訳者の意見と仕事を大切にしながら、常に隅々まで気を配り質の高い翻訳をされている翻訳会社は非常に稀で、貴重であると思います。


得意分野:映画美術日本の歴史金融
対応言語:日本語→仏語 英語→仏語
翻訳歴:5年以上 *NAIwayに登録された年を基準に表記

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【翻訳者コラム3】 翻訳者の役割と今後について

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