【取説】翻訳会社のトリセツ:文字数の裏技
とり せつ【取説】
「取扱説明書」の略。機械・道具・アプリケーションなどの使用説明書。
- 英語user manual
- 中国語使用说明书(簡体字); 使用說明書(繁体字)
- 韓国語사용 설명서
- ドイツ語Benutzerhandbuch
参照元:weblio国語辞典、goo国語辞書、Glosbe
私たちコーディネーターが、翻訳する原稿をお預かりする際、まず、その原稿の文字数を算出します。翻訳料金をご案内する際、私たちは文字数に、あらかじめ決められた1文字あるいは1ワードあたりの翻訳単価を乗じて計算しています。
コーディネーターとして仕事を始めた当初、同じ内容の原稿を日本語と英語で見比べて、双方の文字数(英語ではワード数)に大きな差が生じたことに、ちょっとした驚きを覚えました。通常、同内容の文書の場合、英語のワード数は、日本語の文字数の約半分に相当すると言われています。
しかし、逆に、各言語の文字数(ワード数)で伝えられる情報量という側面から見ると、日本語の1文字の方が、英語の1ワードよりも3倍程度多くの情報を伝えられると言われています。確かに日本語の場合には、英語では単一の表現でしか言い表せないなか、漢字、ひらがなやカタカナを組み合わせて、同程度の文字数で幅広くものごとを伝えることが出来るような気がします。
例えば、店舗で品物が売り切れた際、英語では「Sold out」という表現でしか言い表せないなか、日本語では、以下のように、売り切れたこと以外に、言外の意味を少量の文字数で、簡単に伝えることが出来ます。
- 売切れ
- 完売御礼(売り切れました。ご購入下さりありがとうございました。)
- 売り切れ御免 (安価なので売り切れてしまったら、ごめんなさいね。)
上記の3例は、( )内の意味をあらわす日本語熟語ですが、英語では単に「Sold out」となり、あえて、( )内の意向を伝えようとすると、英語で文章を添えることになり、さらに必要となる文字数が増えてしまいます。それゆえ、Twitterで同内容の日本語を英語で"つぶやく"と3倍近くの文字数が必要となり、圧倒的に日本語の方がTwitter的には有利と思われているようです。
さて、話をもとに戻します。
お手元の文書を、日本語や英語以外の言語に翻訳されたい場合、特に、化学物質の危険有害性情報を記載した安全データシート(Safety Data Sheet/SDS)の他言語への翻訳の場合には、日本語以外に、英語でも同内容の文書がないかどうかを調べてみてください。英語の方が翻訳料金のペースとなる文字数が少ない分、お手頃価格にてご案内出来ることがありますので、ぜひ、探してみて下さい。
例)日本語1000文字に相当する英語500ワードのSDSをフランス語に翻訳する場合の料金比較の一例は以下の通りです。
日本語→フランス語 | 翻訳単価 27.5円 | 翻訳料金 27,500円 |
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英語→フランス語 | 翻訳単価 32円 | 翻訳料金 16,000円 |
2019.08.30