【白】色を表す言葉:白の翻訳
しろ【白】
色の名。太陽の光線を全部反射したときに感じられる色。雪のような色。
- 英語white
- 中国語白
- 韓国語화이트
参照元:weblio国語辞典、goo国語辞書、Glosbe
大寒を過ぎてもうすぐ立春です。寒さも底をついた感じでしょうか。
今年は暖冬でしたが、先日関東でも少し雪が降りました。やはり冬は雪が積もらないとつまらない感じがします。一面を白で覆われた景色には情緒を感じますし、普段の街並みがまったく異空間になる感じがまた、たまりません。
雪が白く見えるのは、全ての波長の可視光線が均等に強く乱反射しているからです。白(と黒)は色彩の無い色であり、他の色とは少し違う存在です。言葉の成り立ちにもそんなところが表れています。
では、「赤の翻訳」に引き続き、「白」(白さ・白い)の各国語訳をまとめてみます。
【ヨーロッパ言語】
ゲルマン語派 | 英語 | white |
ドイツ語 | weiß | |
オランダ語 | wit | |
ノルウェー語 | hvit | |
デンマーク語 | hvid | |
スウェーデン語 | vit | |
ロマンス語派 | フランス語 | blanc |
イタリア語 | bianco | |
スペイン語 | blanco | |
ポルトガル語 | branco | |
スラブ語派 | チェコ語 | bílá |
ロシア語 | белый | |
フィン・ウゴル語派 | フィンランド語 | valkoinen |
ゲルマン語派の英語、ドイツ語、北欧3語は、ゲルマン祖語のhwītaz(白い、明るい)から派生して、それぞれ、古英語hwīt→white、古高ドイツ語wīz→weiß、古ノルド語hvítr→hvit, hvid, vitとなったそうです。(参照:Wiktionary日本語版)
ロマンス語派の言語は、ゲルマン祖語のblankaz(輝く、真白)を語源としたラテン語blancusから派生したとのことです。(参照:Wiktionary日本語版)また、この語源は、白とは真逆のblackにも通じています。
ちなみに、英語のblank(白紙の、空の)は、フランス語のblancの借用ですが、もともとはゲルマン系のこの言葉が逆輸入された形です。
【アジア言語】
シナ語派 | 中国語 | 白; 白色 |
朝鮮語族/韓国語族 | 韓国語 | 화이트 |
モン・クメール語派 | ベトナム語 | trắng |
カンボジア(クメール)語 | ស | |
カム・タイ語派派 | タイ語 | ขาว |
マレー・ポリネシア語派 | マレー語 インドネシア語 | putih |
セム語派 | アラビア語 | أبيض |
アジア言語と一括りにしても、多種多様な言語や文字が共存しています。アラビア系文字、インド系文字、漢字系文字の文化がお互いに影響を与え合い、ヨーロッパからラテン文字も受け入れて形成されています。ヨーロッパ言語と比べると実に多様で複雑です。
こうやって一単語を訳して並べただけでも、言葉の意味を変換する翻訳という世界の「凄さ」や「重要性」を感じます。
さて、もう梅の花が咲いていますね。三渓園にでも行ってみようかな。
色の無い「白」の季節から彩色の季節はもうすぐです。
2020.01.31