【虎】寅年・寅の月・寅の日に「虎」を考える。
とら【虎】
ネコ科の哺乳類。ライオンと並ぶ大形の猛獣。全身黄褐色で黒い横縞がある。
- 英語tiger
- 中国語虎
- 韓国語호랑이
- スペイン語tigre
- ドイツ語Tiger(男性); Tigerin(女性)
参照元:weblio国語辞典、goo国語辞書、Glosbe
2022年は寅年。
旧暦の1月(新暦では概ね2月)は寅の月。
そして、2月の6日と18日は寅の日。
寅年の寅の月の寅の日に「虎」を世界の言葉に訳してみます。
虎は中国北部やロシアなどの亜寒帯から、インドやベトナム、マレーシア、インドネシアなどの熱帯・亜熱帯まで、アジア一帯に生息しており、生息地域に合わせ多くの亜種が存在します。(残念ながら、日本には襖の中にしかいなかったようです。。。)
虎はアジアの国では、信仰や風習の中にも取り込まれている身近な存在であり、言語や地域により名称は様々です。 ヨーロッパ言語は、ラテン語由来の名称から派生しています。
言語 | 虎の訳 |
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インドネシア語 マレー語 | harimau〔ハリマウ〕 |
韓国語 | 호랑이〔ホランイ〕 |
クメール語 (カンボジア語) | ខ្លា〔クラー〕 |
タイ語 | โคร่ง〔クローン〕「ベンガルトラ」; เสือ〔フーイ〕「虎・豹・チーター」 |
タガログ語 (フィリピン語) | tigre〔ティーグレ〕 |
トルコ語 | kapla〔カプラ〕 |
ベトナム語 | con hổ〔コン ホー〕 |
ベンガル語 | বাঘ〔バー〕 |
ミャンマー語 | ကျား〔チャー〕 |
オランダ語 | tijger〔タイファー〕 |
チェコ語 | tygr〔ティイガー〕 |
フィンランド語 | tiikeri〔ティーケリ〕 |
ペルシャ語 | ببر〔バーブル〕 |
ロシア語 | тигр〔チーグル〕 |
スワヒリ語 | chui milia〔チューイ ミリア〕「縞の豹」 |
世界の言葉を調べてみたら、いろいろ面白い発見がありました。
インド系の表音文字であるクメール文字の"ខ្លា"は、漢字の「虎」になんとなく作りが似ています。仏教つながりがあるのかな、などと想像してみました。
ペルシャ文字の"ببر"も、虎の縞模様としっぽを表しているように見えませんか。象形文字として見てしまう日本人だからでしょうか。
虎のいないアフリカの国では、スワヒリ語で「縞の豹 chui milia」と言ったり、「インドのライオン simba wa Bara Hindi」などと表現しているようです。これも面白いですね。
また、ラテン語由来の"tiger"(英語・ドイツ語など)、"tigre"(フランス語・イタリア語など)は、「ティグリス川 "tigris"」と同じ語源なのだそうです。昔はメソポタミアに近いカスピ海辺りにも虎はたくさん生息していました。
残念ながら、カスピトラ(ペルシャトラ)は絶滅が確認されています。
そして、サッカー日本代表の永遠のライバル、韓国代表チームの愛称は「アジアの虎 아시아의 호랑이 (アシアエ・ホランイ)」。朝鮮半島にもかつてはたくさんの虎がいました。
しかし、朝鮮トラはほぼ絶滅したと言われています。
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虎は絶滅危惧種であり、密猟や環境破壊により減少の一途をたどっています。カスピトラ、朝鮮トラの他にも、ジャワトラ、バリトラなど、すでに絶滅したとされる亜種は多いのです。
2022年は、寅年というだけではなく、虎の生息する13カ国の政府が一堂に会するグローバル・タイガー・サミットが開催され、虎の生息数を増やす目標や取り組みなどが定められます。
まさに、今年は地球規模のトラの年なのです。
人間は、この「虎」を意味する言葉が伝説の生物の呼び名にならないよう、地球環境の保全に力を尽くすべきなのだと思います。ガルル。
2022.02.18 寅の日